レポート:宮野「葉藏の誰にも説明できない鬱屈とした悩みを大切に演じた」『HUMAN LOST 人間失格』公開記念初日舞台挨拶レポート

2019年11月29日、東京・新宿にあるTOHOシネマズ新宿において、劇場アニメ『HUMAN LOST 人間失格』の公開記念初日舞台挨拶が行われました。今回の舞台挨拶では、大庭葉藏役の宮野真守さん、監督の木﨑文智さん、ストーリー原案・脚本の冲方丁さんが登壇されました。

時間となり、宮野さん、木﨑監督、沖方さんがステージに登壇すると、会場からも暖かい拍手で迎えられました。宮野さんも冒頭の挨拶で「(海外での先行上映を踏まえ)日本で初日を迎えられて本当に嬉しく思います。」とコメントされていました。

今回のトークショーは上映前と言う事で、作品の核心に迫るネタバレはしない形で進行されました。

作品のキャラクター像について、木﨑監督は「太宰治の原作を読んでいても違和感を感じない」形で作品が作られたと話し、冲方さんは「(著:太宰治『人間失格』の)人間関係を崩さずに(人間関係を)今作に取り入れた。」と話していました。

宮野さんは「(今回の作品は)世界観がガラッと違うという話だったが、人間関係は取り入れていくという事で、原作の葉藏の誰にも説明できない鬱屈とした悩みを非常に大切にして演じようと思いました。」と話し、「HUMAN LOST 人間失格」だから出来る葉藏の人格構築をして演技をされたそうです。

今回の収録について、宮野さんは「プレスコ(事前収録)だったが、キャラクターの絵や、距離感などの動きが細かく付く前だったが、映像はあった。」と収録時に仮絵があったという話をし、「絵コンテがあるから想像しやすく、新たに作られた世界観なので、どの距離感で(役が)生きているかが想像しやすかった。」と今回のプレスコ収録では演技がしやすかった事を挙げていました。

また、「全力でやった声の表情から葉藏の表情に反映されていて、アニメーターの方が細かく作ってくれたのがすごく嬉しかった。」と制作陣が自身の演技を形にしてくれたことに役者としての喜びを感じられているようでした。

映画の「ここはヤバイ!」というシーンについては、「HUMAN LOST 人間失格」はアクションものであり、木﨑監督と冲方さんはアクションシーンを挙げ、制作からは100分中25分しかアクションは出来ないと言われたところを、100分中80分も作ったことに「ヤバイ!」と話し、そして葉藏の変身シーンについても、宮野さんが実演すると、切腹という変身動作に会場からも思わぬ笑いが起きていました。

そして、キャラクターとキャストの関係性について、福山潤さんの暴走やアドリブの演技や、櫻井孝宏さんの悪役っぽい演技も、キャラクターがキャストに寄ってきていると宮野さん、木﨑監督、冲方さんの三人が絶賛されていました。

最後に登壇者からのコメントとして、宮野さんは「本日、皆さんに見て頂くことが出来ます。本当に凄い斬新な企画だなと思って、僕も参加させて頂きました。こういう形でアニメーションを作ることにより、可能性がどんどん広がると思いました。海外の方にも見て貰った時に、日本の文化としてアニメーションがこれだけ尊重されていて、求められて、認められているというのを感じましたし、日本の文学だったり、侘寂を注ぎ込むことによって、文化としてまた伝えられること、たくさんあるんじゃ無いかなと思います。その中で、僕も芝居でたくさん感じ取って貰えるように、全力で魂を注ぎ込んだので、皆さんにも感じ取って貰いたいと思います。」

冲方さんは「今回の作品では、閉塞的なディストピアを書いているが、閉塞そのものを感じるのではなく、閉塞から突破出来るんじゃ無いかなと言う脱出できるのではないかと言う痛快感・高揚感を感じて欲しいと思います。」

木﨑監督は「本作は古典文学とSFダークヒーローものの融合という前代未聞の物だったと思います。おそらく、誰も想像していない方向に話は展開していくので、楽しみにしていてください。しかも、エンタテインメント作品として皆さんに喜んでもらえるような作りにしているので、最後まで楽しんで見て頂ければと思います。」とコメントされ、舞台挨拶が終わりました。


公式サイト:
https://human-lost.jp

公式Twitter;
https://twitter.com/humanloset_pr


『HUMAN LOST 人間失格』
絶賛公開中
配給:東宝映像事業部

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