レポート:次へと響け!「響け!ユーフォニアム 公式吹奏楽コンサート ~北宇治高校吹奏楽部 第1回定期演奏会~@神奈川県民ホール」夜の部レポート

2016年11月20日、神奈川県横浜市・神奈川県民ホール大ホールにおいて、人気アニメ「響け!ユーフォニアム 公式吹奏楽コンサート~北宇治高校吹奏楽部 第1回定期演奏会~@神奈川県民ホール」が行われました。今回、VoiceMediaでは、夜の部のレポートをさせて頂きます。

「響け!ユーフォニアム」と言えば、「吹奏楽×青春」という軸のもと、吹奏楽のリアリティと疾走感を追求し、楽器メーカーとのコラボも行っていましたが、今回は本格オーケストラとのコラボレーションとなります。

今回は指揮・大和田雅洋、演奏・洗足学園音楽大学 フレッシュマン・ウィンド・アンサンブル2014が行い、ゲストとして「響け!ユーフォニアム2」のオープニングテーマでもお馴染み、TRUEさんと、トークゲストとして、田中あすか役の寿美菜子さんと音響制作担当のランティスの斎藤滋さんを招いての演奏となりました。

コンサートというと、クラシックから今回の吹奏楽や、ミュージシャンのライブなど、幅広くありますが、吹奏楽と言うことで、固めの演奏会を考える方もいるかも知れませんが、高校生の吹奏楽のアニメを題材にしているだけあって、どちらかというと、カジュアルな感じで音楽を楽しみに来たという方が多かったように見受けられます。

また、会場内には関係者からのフラワースタンドの他に、作品を愛するファンの方々からのフラワースタンドも見受けられ、作品が幅広く多くの人に愛されているのが印象的でした。

時間となり、演奏が開始されます。最初は、「DREAM SOLISTER(Wind Orchestra Ver.)」から始まり、作品を象徴している曲だと思いますが、出だしからダイナミックな音が会場に響き、生だから感じられる音の良さを最初から身体に染みこませてくれます。音のメリハリも聞いていて心地よく、音楽の世界に一気に誘われた感じでした。会場も服装はカジュアルでしたが、公式の演奏会を聞きに来ているという感じで、演奏に真摯に耳を傾けていたのも印象的でした。また、作品にも登場するチューバ君も演奏を舞台脇で応援していました。

「DREAM SOLISTER(Wind Orchestra Ver.)」が終わった所で、司会の松澤千晶さんとトークゲストの田中あすか役の寿美菜子さんと、音響制作担当のランティスの斎藤滋さんが登場しました。自己紹介の時に寿美菜子さんがキャラのセリフで会場を沸かせ、また1曲目に登場していたチューバ君を話題にし、会場に京都公演にも足を運んだ人は?と質問を投げかけたところ、結構な人が足を運んでいたそうで、何度でも聞き、作品にも浸りたいと思う人が多かったのでは無いでしょうか。

二曲目は、「地獄のオルフェ」と言う事で、出だしの大型管楽器の音の豊かさが聞いていて心地よく、その後の各楽器のソロパートも音が歌うような感じで、伸びやかに出ていたと思います。そして、中盤は穏やかに進行していき、音色にウットリして聞き入り、壮大さと繊細な音が楽しませてくれますが、後半になると、ここで多くの日本人が学校などで聞いた事があるメロディに。ここでは、指揮者の指揮も、力強く音を打ち出すような指揮をし、トロンボーンがそれに呼応して、迫力のある音を出しているのが、当然と言えば当然なのですが、見ていて指揮者と奏者の関係がとても分かりやすい場面だったと思います。

「地獄のオルフェ」が終わると、MC陣3人が登場し、今度は先ほど演奏した曲の話をされた後、寿美菜子さんがアニメと音楽を重ねて、曲についての思い出を語られ、キャラの成長を実感されていました。また、斎藤滋さんもアニメで田中あすかについての話をされ、寿美菜子さんがどういう感じでキャラを作っていったのか?という秘話も披露されていました。

続いては、滝先生が指導される前の演奏と言う事で、「暴れん坊将軍のテーマ(指導前Ver.)/海兵隊(指導前 Ver.)」が披露されました。聞いた感想としては、Jazzを聞き慣れている人だと、不協和音が逆に心地よいと思える内容でしたが、音を外して演奏すると言うものの、全体としては音やリズムが取れていたりもするので、どこをどうやってずらして演奏するのか、というための譜面でもあるのだろうか?と思わせる演奏でした。今回の演奏で一番難しかった曲かも知れません。

そして、MC陣がリードミスが今回のウインドアンサンブルで一番上手い人と言う事で、解説と演奏実演としてバリトンサックス奏者のワタナベさんが実演で、リードミスの演奏と通常の演奏をして、違いを解説してくれました。

リードミスの違いが分かった後で、「暴れん坊将軍のテーマ(指導後Ver.)/海兵隊(指導後 Ver.)」の演奏がされ、音に光が戻ったかのような、聞いていて心地よく、人間の身体の中にあるリズム感というのが、一定の周期で刻む音の方が向いていると感じさせる演奏でした。

6曲が演奏されたところで、本日の指揮者である大和田雅洋さんがこの場面で自己紹介をされ、ユーモアで会場から笑いをさらっていました。そして、MC陣と一緒に吹奏楽について、体育会系!と言う事や、回を重ねるごとに上手くなるスポーツという表現が飛び交い、文化系という括りにされる吹奏楽部ですが、体力も当然必要で有ると言うことを実感させられる一幕でした。

次に「美中の美/フニクリ・フニクラ/RYDEEN」の三曲が連続で演奏され、「美中の美」については、トロンボーンの力強い音が耳に飛び込んできて、また緩急織り交ぜた音が、脳の中を気持ちよく揺さぶり、楽しく聞ける曲だったと思います。また、コントラバスが二台で演奏していましたが、演奏の中でも数少ない奏者のシンクロした演奏をしており、管楽器ではなかなか見られない場面とも思えるので、見ていても面白かったです。

「フニクリ・フニクラ」は、日本では色んな名称で呼ばれていたりするので、名前が分からなくても、多数の方は聞かれたことがある曲だと思います。曲の出始めは、おとなしめに始まったと思ったら、音が膨らむような感じで、一気に大きな音になるという、聞いていて不思議な感覚になる曲だと思います。トロンボーンやトランペットのチームが勢いよく音を出すところなどは、全体を通しても音を聞いて楽しめる、の一言に尽きる演奏だったと思います。

「RYDEEN」は、前半の締めの曲として演奏されましたが、原曲がテクノポップのジャンルと、吹奏楽とは結構違う分野にも感じられますが、吹奏楽でも定番の曲として定着しているので、吹奏楽とテクノポップが意外な感じで、かなり相性が良いのかな?と思えてしまいます。曲を聞いていて、今までの曲達よりも音が力強く、ストレートに音が響いてくる感じで、各吹奏楽パートの担当者の肺活量を最大限発揮して、豪快に音を出し、表現していると感じました。また、この曲では、鉄琴の輝く音のアンサンブルも聴き応えがあったと思います。とにかく、音が当然前からも聞こえましたが、音圧かも知れませんが、横からも聞こえてきて、耳の様々な指向性から音が聞けて、とても楽しい演奏だったと思います。「RYDEEN」が終わった際には、前半の最終曲と言う事もあって、スタンディングオベーションをされている方もいらっしゃいました。

「RYDEEN」のあとは15分ほどの休憩を挟み、再度演奏に戻ります。

後半は最初に舞台へ3人、ユーフォニアムとチューバとコントラバスのTrioが登場し、颯爽と「キラキラ星」を披露。大勢での演奏もそれはそれで、音に迫力があったり、聞いていて楽しかったりすると思いますが、Trioならではのそれぞれの楽器の持つ音の良さや、何よりもアニメで「黄前久美子、川島緑輝、加藤葉月」を彷彿とさせる物がありました。

そして今度は2人、ユーフォニアムとトランペットで、「愛を見つけた場所」を披露。こちらも「黄前久美子、高坂麗奈」のペアを彷彿とさせる演奏で、ペアの演奏が聞いていて心地よいハーモニーを奏でていました。
二曲演奏後、MC陣3人が登場し、今演奏した二曲の解説となり、ユーフォニアム奏者の方が、指揮者は作品通り男性だったけど、ユーフォニアム奏者は男性だったと言う事で、作品とはちょっと違いますが…とちょっとしたユーモアを交えた自己紹介をし、会場に笑いを誘っていました。

ここからは、チューニングをした後に、アニメでのコンクールの課題曲である「プロヴァンスの風」が演奏され、勢いよく曲がスタートし、力強い指揮に呼応する形で、奏者も音で迫力を出していたと感じました。管楽器の音色が聞いていて、様々な音色を披露し、聞いていて、メリハリが様々な所にあることで、奏者の技量が明確に出る曲だろうと感じました。演奏については、力強さを感じさせる物があり、元気付けられる一曲だったと思います。

アニメでのコンクールの自由曲である「三日月の舞」は、アニメオリジナルの吹奏楽曲と言う事もあり、アニメが合わせている曲とアニメに合わせている曲では、聞こえ方も違ってくるものも有ると思います。演奏を聞いていると、指揮者が部分ごとに音を引き締め、また地面から沸き上がるような形で音を演奏して欲しいという指揮の表現など、なかなか見られない指揮が多数合ったと思います。トランペットソロも、優雅に音を聞かせてくれますが、終わった後の各パートの音が多重の波にも感じられて、一つの曲に様々な仕組みを持たせている感じにも思えました。音についても、壮大な中でも、繊細な演奏はさることながら、弦楽器が無いのに、吹奏楽の演奏でコントラバスとは違う、弦楽器と聞き紛う音が聞こえてくる感じで、不思議な曲だったと感じました。

そして、最後の曲として、「DREAM SOLISTER(Movie Ver.)」が演奏されましたが、ここで、この曲の歌手であるTRUEさんが登場し、洗足学園音楽大学フレッシュマン・ウィンド・アンサンブル2014の演奏で、歌声を披露されました。TRUEさんの夢を叶えてくれそうな豊かな声量と伸びやかなビブラートを聞かせた声と、吹奏楽の演奏が綺麗なハーモニーを奏でていたと思います。

「DREAM SOLISTER(Movie Ver.)」が終わり、舞台も終わり、TRUEさん、指揮者も捌けたと思いきや、会場中がアンコールで溢れ、すぐさま、指揮者も戻ってきて、アンコール曲である「Starting the project」を演奏。Big Bandスタイルで演奏が始まり、今までの演奏とは一線を画した形での披露となりました。

続いて、「トゥッティ!(Wind Orchestra Ver.)」を演奏。第一期のエンディングテーマとして、アニメで1クール聞き続けた曲では無いでしょうか。頻繁に「トゥッティ!」をオーケストラで聞くことは無いと思いますが、アニメにはアニメの曲の良さ、吹奏楽・オーケストラではこれらの良さが感じられる演奏だったと思います。ここまで来ると、今日のコンサートはアニメ1期縛りだからこの曲で最後かも…と思う人も多くいたかも知れません。

演奏後MC陣が登場し、先ほどの「トゥッティ!」のように、アニメの時の曲と、今回のオーケストラでの曲での感じ方の違いや、今日のイベントの感想の話をされていました。トークの後に、実は一曲残っている…と言う事で、次の曲が披露されました。

本日の本当の最終曲として、2期オープニング曲である「サウンドスケープ(Wind Orchestra Ver.)」がTRUEさんの歌声に乗せて披露。若者だから持っている無限大の可能性を素敵な歌声で歌い上げていたと思います。今回のコンサートの中で、唯一の第2期の曲で有りました。

今回のコンサートの曲は「響け!ユーフォニアム」で使われた楽曲で、「響け!ユーフォニアム2」で登場している曲は、2期オープニングのみと言う事もあり、応援があれば、是非コンサートも続けて行きたいという話も出ており、続くと言う事は、当然2期の曲も聴けるかも?と言う事になると思います。

演奏会に足を運ぶ事で、アニメを更に楽しめると思いますし、アニメを見ると演奏会に足を運びたくなる人もいると思うので、是非多くの方の応援があると様々な展開に光が見えるのでは無いか。と思わせる演奏会でした。


<セットリスト>
M1:DREAM SOLISTER(Wind Orchestra Ver.)
M2:地獄のオルフェ
M3:暴れん坊将軍のテーマ(指導前Ver.)
M4:海兵隊(指導前 Ver.)
M5:暴れん坊将軍のテーマ(指導後Ver.)
M6:海兵隊(指導後 Ver.)
M7:美中の美
M8:フニクリ・フニクラ
M9:RYDEEN
(休憩)
M10:キラキラ星
M11:愛を見つけた場所
M12:プロヴァンスの風
M13:三日月の舞
M14:DREAM SOLISTER(Movie Ver.)
(アンコール)
EN1:Starting the project
EN2:トゥッティ!(Wind Orchestra Ver.)
EN3:サウンドスケープ(Wind Orchestra Ver.)


<「響け!ユーフォニアム2」BD/DVDリリース情報>
第1巻 2016年12月21日(水)発売
第一回「まなつのファンファーレ」収録/本編48分
Blu-ray:6,500円(本体)+税
DVD:5,700円(本体)+税
発売元:京都アニメーション・『響け!』製作委員会
販売元:ポニーキャニオン
初回特典:
・キャラクターデザイン池田晶子描き下ろし三方背特製ケース/デジパック仕様
・16Pスペシャルブックレット
パート日誌(低音パート)
キャラクター紹介
第一回解説
楽器設定
小物設定
美術設定
スタッフコメント【石原立也(監督)】
・キャラクターデザイン池田晶子描き下ろしイラストカード[中川夏紀]
映像特典:
・未放送ショートムービー「花火大会キッスへようこそ!」
・WEB版予告映像
・ノンテロップOP/ED
・PV/CM集
音声特典:
・キャストコメンタリー
[黒沢ともよ(黄前久美子 役)×朝井彩加(加藤葉月 役)×豊田萌絵(川島緑輝 役)×安済知佳(高坂麗奈 役)]
・スタッフコメンタリー
[石原立也(監督)×池田晶子(キャラクターデザイン)×山田尚子(シリーズ演出)]
その他:
・日本語字幕
・2017年3月12日開催スペシャルイベントチケット優先販売申込券(2017年2月6日申込〆切)
2巻:2017年1月18日(水)発売予定
3巻:2017年2月15日(水)発売予定
4巻:2017年3月15日(水)発売予定
5巻:2017年4月19日(水)発売予定
6巻:2017年5月17日(水)発売予定
7巻:2017年6月21日(水)発売予定


アニメ公式サイト:
http://anime-eupho.com/

アニメ公式Twitter:
https://twitter.com/anime_eupho

©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会