公式レポート:劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』完成披露試写会(オフィシャルレポート)

全世界で2800万ダウンロードの人気音楽リズムゲームを映画化した劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』の完成披露試写会が1月25日(火)、都内で開催され、上映前の舞台挨拶にボイスキャストを務めた竹達彩奈(アリス役)、丹生明里(日向坂46/仮面の少女役)、濱田岳(ミライ役)、イッセー尾形(くるみ割り役)、松下洸平(ハンス役)、藤咲淳一総監督、松下周平監督が登壇。さらに、ニューヨークにいる同じくボイスキャストを務めた渡辺直美(匂い袋役)からはビデオメッセージも到着し、会場は盛り上がりを見せた。

脚本も手がけた藤咲総監督は、この人気ゲームの映画化を手がけるにあたってのテーマは「謎」と「音楽」だったと明かし「アリスは何者? DEEMOは何者? という“謎”があったので、そこを面白くするために音楽の力を借りました」とふり返る。

ゲームシリーズからアリスの声を担当してきた竹達さんは「ゲームの中だとアリスしかしゃべらないので、独りぼっちの世界観が強かったんですけど、アニメになってミライやくるみ割りなど、新たなキャラクターに命が吹き込まれて、すごくにぎやかな世界になったなと感じました。このキャラクターたちのおかげで、アリスが年相応なかわいらしい子どもになっていて『そんな子どもらしいところあるんだ!?』と新鮮な気持ちで演じられました」とゲームとはまた違った新たな魅力を感じたと明かす。

丹生さん、松下さんは本作で長編アニメーション声優に初挑戦。丹生さんは「お話をいただいて『本当ですか!?』って信じられないくらい、ずっと憧れだったので嬉しかったです。エンドロールで自分の名前が出てきたときは、思わずウルっときてしまいました。映画館の中から自分の声が本当に聴こえるのかと思ったら、感極まりました」と感激を口にする。

そんな丹生さんに竹達さんは「すごく素敵でした! 初めてと思えないくらい、(イメージしていた)“仮面の少女”のまんまという感じで、これが初めてと聞いてびっくりしました」と称賛を送る。

松下さんは「ハンスという役にどう色を付けていくか? 言い方、強弱…ひと言、ひと言を監督と相談させていただきながらやらせていただき、楽しかったし、貴重な経験をさせていただきました」と充実した表情で語った。

濱田さんは猫のぬいぐるみに命を吹き込むということで、戸惑いもあったよう。「DEEMO の世界に住むぬいぐるみの悲哀…そんなこと考えたことがなかったので(苦笑)。動きも込みで表現するならまだ勝算もあったかもしれないけど、声ひとつでぬいぐるみの気持ち、個性を表現しないといけない…。声優というお仕事は本当に奥が深いなと勉強になりました」としみじみとふり返る。

イッセーさんも“声”だけでの表現について「どれだけ動いても、(観客には)見てもらえないんですね。しっちゃかめっちゃか、やみくもに動きながらアフレコしました。こんなに役に感情移入したことはなかったです。24時間、くるみ割りに向き合いました」とふり返った。

声優陣の演技はもちろんのこと、やはり『DEEMO』と言えば音楽が大きな魅力。竹達さんは「木が成長するのが『DEEMO』では印象的ですが、劇場版でもそれはあって、成長していく段階で素敵な映像と曲が流れるので、ぜひチェックしてほしいです!」と“聴きどころ”をアピール。

丹生さんは「メロディだけでなく日常の音――足音まで聴こえてきて、360度音に包まれている感覚になります」と映画館ならではの“音響体験”の魅力を口にする。

濱田さんは「物語の途中で大きな“事件”があるんですが…」と謎に包まれたストーリーの一端に触れつつ、そこで流れる楽曲「Leviathan」の素晴らしさを強調。

イッセーさんは「最後にみんなで曲を作るんですが、それがあなた方ひとりひとりの胸に突き刺さるでしょう」と“予言”する。

自身、音楽活動もしている松下さんは、劇中のピアノについて言及。「ピアノの音色と記憶がリンクしていて、ピアノの音から思い出される景色や人…そういうものってすごく大事だと思います。僕も、ピアノを弾きながら懐かしい出来事を思い出したり、『あの頃の気持ちってどうだったかな?』と思う時に、その頃、弾いていた曲を弾くと一瞬でタイムスリップできたりします。音楽ってそういう存在だと思うし、(本作でも)音楽と記憶が絶妙にリンクしていると思いました」と熱く語った。

さらにこの日は、“匂い袋”の声を担当している、ニューヨークの渡辺直美さんからビデオメッセージが到着!アフレコでは監督と相談しながら匂い袋の優しく、かわいらしい声を作り上げるも「後半は、のどが限界を迎えました…(苦笑)」と苦労を述懐。映画について「世界観、映像がすごく素敵で、音楽もハンパなく最高に仕上がっています」と力強く魅力を伝えてくれた。

“匂い袋”渡辺さんからのサプライズメッセージの最後に、「私の香りで落ち着いて〜」という劇中のセリフで呼びかけられた形となった竹達さんは「グッドスメルを感じました!」とニッコリ。映画の中で、匂い袋、ミライ、くるみ割りはユニットとなって登場しているが、濱田さんは3人組のシーンについて「僕が収録したときは、お2人の声が入った状態で、おかげですぐに映画の世界に入れました。お2人の力があってのミライだなと思います」と感謝。

イッセーさんは、スクリーンを通じて初めて渡辺さんと“対面”し「声のように包容力のある方だなと思いました。試写を見て、ユニットの3人がうまく収まっていてよかったです」と笑顔を見せた。

最後にアニメーションを担当した松下監督は「音楽が素敵なので、ライヴを見る気分で観ていただけたら」と語り、藤咲総監督も「89分の優しい時間になると思いますのでぜひ楽しんでください」と呼びかける。

竹達さんは「ゲームとはまた違った新たな作品として、キャスト、スタッフ一同、愛を込めて作りました。『DEEMO』は愛がギュッと詰まった作品ですので、優しさに包まれて素敵な時間を過ごしていただけると嬉しいです」と語り、温かい拍手に包まれて舞台挨拶は幕を閉じた。

劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』は2月25日(金)公開。

(c)Rayark Inc./「DEEMO THE MOVIE」製作委員会