レポート:福山「竹一の生死があるから幸せを求めて生きていく価値観が似ている。」『HUMAN LOST 人間失格』〝イチロク〟集会舞台挨拶レポート

2019年12月21日、東京・渋谷にあるヒューマントラストシネマ渋谷において、劇場版アニメ『HUMAN LOST 人間失格』〝イチロク〟集会舞台挨拶が行われました。

今回の舞台挨拶では、竹一役の福山潤さん、監督の木﨑文智さん、ストーリー原案・脚本の冲方丁さんが登壇されました。今回の舞台挨拶は作品上映後だったので、ネタバレ有りで舞台挨拶が行われました。

冒頭の挨拶では、福山さんも福山節に溢れたトークで話をされていましたが、普段の福山さんのテンションの高さと会場の作品を見終わった雰囲気を考えて、福山さんのテンションは気持ち抑えめの形で舞台挨拶が行われました。

MCの方からの一つ目の質問「竹一というキャラクター像について」の話では、木﨑監督と冲方さんの話として、原作通りだと作品として暗くなるので、竹一については、太宰版の人間失格とは大幅に異なり、監督と冲方さんとスタッフで今のキャラに膨らませたそうです。福山さんも今回の二人の話を聞いて、「(葉蔵が死んでいる時に電話する所で「人が死んでいるんですけど。」というセリフの所で竹一が)どういう役か基点になった。(竹一について)キャラクター像のわかりやすいセリフだった。」と話していました。

木﨑監督から「竹一は道化的だが冒頭部分を紹介する重要なキャラクターだった。世界観を一方的に説明してくれる力のあるキャラクターじゃないと困る。」と解説をされ、福山さんも「収録前に聴かなくて良かった。」とキャラクターを演じる上で聞いていたら演じていた竹一とは異なっていただろうという様子でした。福山さんも収録時にスタッフの方から竹一のキャラクターについて、想像以上の期待をされていたので、その期待に応える形で演じないとと、当時は思われ、期待に応える形で、竹一がはっちゃけたキャラクターになったそうです。

「プレスコ収録時のエピソード」として、福山さんは「アドリブをやった印象はなかった。」と言いつつ、プレスコだったので、「台本に書いてあるセリフはちゃんとやったが、アクションの所や、乗ってきたところでこれぐらいは許されるかな?」とちょっとアドリブをやったら、「それがちょっと目立つところにあった。」と福山さんが話すと、冲方さんも「脚本で書いた時と全く違ったので、監督に脚本を書き直されたかな?」と思う位、アドリブが多かったと笑顔で話され、木﨑監督からは「収録で(脚本の)上を行かれた。」と福山さんの役の解釈や演技を絶賛されていました。

芝居については、大庭葉蔵役の宮野真守さん、堀木正雄役の櫻井孝宏さん、柊美子役の花澤香菜さんの空気感や演技の土台があって、自分がはっちゃけてやっても邪魔をせず、三人がその雰囲気を中和してくれると信頼していたそうです。その上で、「テストでやっても(アドリブが)怒られなかったので、普段の悪癖が出た。」と自身の演技を述壊されていました。しかし、福山さんでも計算外、予想外の演技で発音間違いだった所は作品を見た時に苦笑いされたそうです。

また、福山さんは「HUMAN LOST 人間失格」では好きなセリフもたくさんあったそうで、「死が無いと」というセリフを挙げ、「自分の中の死生観が竹一の一生懸命生きようとしている、生死があるから幸せを求めて生きていく価値観が似ている」ところであり、「自分としての感情移入が出来る所で、竹一の人としての部分だった。」と話し、「そこをピークに見据えながら、短い時間ではあったが、自分が全力で出来る良いラインの時間の配分を頂いた。」など、良い条件の役だったと話していました。

最後の挨拶として、福山さんからは「収録から大分時間が経ったのですが、みなさんにこうやって見て頂いて、ようやく僕の中でも『HUMAN LOST 人間失格』が完結・完成したなと思います。改めてどういう感じでやったとか、色々初めて聞いたところもあったと思いますので、もう一度見て頂くと新たな発見もまだまだあると思いますし、こういった凄く斬新で大胆な切り口で描かれた作品が本当に長く皆さんに愛されるようになればと思います。」と述べ、終始会場からも笑いがたくさん起こる、楽しい雰囲気での舞台挨拶が終了しました。


公式サイト:
https://human-lost.jp

公式Twitter:
https://twitter.com/HUMANLOST_PR

『HUMAN LOST 人間失格』上映中
配給:東宝映像事業部

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