レポート:これぞ舞台!これぞエンターテイメント!劇団おぼんろ第20回本公演「パダラマ・ジュグラマ」ゲネプロレポート

2022年2月13日から2月20日まで、東京・池袋にあるMixalive Theaterにおいて、劇団おぼんろ第20回本公演「パダラマ・ジュグラマ」が行われます。今回は舞台公演前に行われたゲネプロをレポートします。

今回の舞台では、タック役:末原拓馬(おぼんろ)、トシリモ役:富田翔/八神蓮、リンリン役:高橋倫平(おぼんろ)/塩崎こうせい、メグメ役:わかばやしめぐみ(おぼんろ)/岩田華怜、ジュンバ役:さひがしジュンペイ(おぼんろ)/登坂淳一さんが出演されます。

最初に、今回の舞台の特徴としては、配役がWキャストではありますが、通常のWキャストで見られるA配役・B配役で舞台が行わるのではなく、複数の役がランダムにミックスされた形で舞台が行われるので、どの回も新鮮な気持ちで舞台を見る事が出来ると思います。複数回見ると、演者の演技から様々な解釈を楽しめると思います。

また、劇場も最後列で見ても、舞台までの距離が近く、どこに座っていても、気持ちは最前列で、舞台の熱気がヒシヒシと伝わってくると思います。

物語については、「何もかもがうまくいかない世界がありました。」

冒頭、列車に乗っている所から始まります。トシリモとメグメが列車をジャックし、ジュンバとの交渉から、5分間だけ猶予を与えられます。

舞台はそこから変わって時間が遡り、トリシモとメグメはとある工場に潜入します。そこで、生まれたてのひよこ・タックと出会います。トリシモとメグメは当初、お腹を空かせてタックを食べようとしていましたが、関わっていくうちにタックに情が沸き、感情に変化が出てきます…。

物語の内容としては、物事を深く考えさせられるような重めの内容ではありますが、見終わった後にホッとした気持ちになると思います。見た人それぞれで持つ感想が異なると思うので、見終わってから解釈について、見た人と話し合うのも面白いと思います。

ゲネプロ後に今回の舞台に出演するキャストにインタビューが出来ましたので、ゲネプロ後インタビューを掲載します。舞台後にも関わらず、疲れを感じさせない所や、本当に仲の良い座組と感じさせられながら、インタビューをさせて頂きました。


<ゲネプロ後インタビュー>
・タック役:末原拓馬さん(おぼんろ)
・トシリモ役:富田翔さん/八神蓮さん
・リンリン役:高橋倫平さん(おぼんろ)/塩崎こうせいさん
・メグメ役:わかばやしめぐみさん(おぼんろ)/岩田華怜さん
・ジュンバ役:さひがしジュンペイさん(おぼんろ)/登坂淳一さん

Q1. 今回の舞台への意気込みを教えて下さい。
末原拓馬さん:
劇団おぼんろ主催タック役の末原拓馬です。パダラマ・ジュグラマという作品を僕はやっぱり全世界で古典と呼ばれるみんなの物語にしたいなと強く思っています。そのためにたくさんの仲間をどんどん作っていきたいというのが一つの意思です。子供の時に好きな絵本を何度も読み返したいなと思うのと一緒で、やると楽しいなという凄くシンプルな動機で、好きだからまた上演しようと思い立ちました。今回も新しいことがたくさん生まれているので、この8日間楽しみにしようと思っております。

富田翔さん:
トシリモ役の富田翔です。おぼんろ初参戦なのですが、この作品はすごく愛されている作品ですし、このメンバー、スタッフの皆さんの熱量を見てたらこの作品にかける熱量が伝わってきます。特にコロナ禍もありますが、コロナ禍でなくとも、舞台をやれることが奇跡みたいなもので、その奇跡が作品に詰まっていると思うので、それを大切に一公演一公演、最後のつもりで全部やりたいと思います。

八神蓮さん:
トシリモ役の八神蓮です。末原拓馬さんと以前やろうとしていた舞台が中止になってしまって。今回もそうなったら、そういうジンクスが出来てしまうじゃないですか。リベンジ的な絶対そうはさせないぞという意気込みはあります。個人的な気持ちとしては、リベンジというのがあります。心で私はやっています。最後まで頑張ります。

高橋倫平さん:
リンリン役のおぼんろの高橋倫平です。8年ぶりの再演という事で、8年前に凄く愛された物語を8年後の今、凄く混沌とした世界になりましたが、その世界でもやっぱり変わらずに愛される物語を目指したパダラマ・ジュグラマでありたいなと思います。それなので、また再び違う新しいパダラマとして愛されていきたいなと思いがあります。

塩崎こうせいさん:
リンリン役の塩崎こうせいです。僕は、パダラマ・ジュグラマは初参戦です。一度やっている作品という事で、僕は映像でも見ているのですが、舞台はずっと積み重なるものだなと思います。なので8年前に到達した所からスタートして、さらにこの9人のチームで新しい到達点に行けたらなと思います。

わかばやしめぐみさん:
メグメ役のおぼんろの語り部のわかばやしめぐみです。今回はただWキャストではなくミックスキャストという、色んな組み合わせで、何通りもの物語、パダラマ・ジュグラマの物語が語られることになります。おぼんろのストーリーの決め手は、語り部とスタッフだけが作るのではなく、参加者の皆さんが入って、初めて一つのピースがはまってパズルが出来上がります。この方法論は皆さんの物語ですと末原自体がずっと主張してきています。これから初日が明けて、14ステージあります。再演という形ですが、新しい物語として、皆さんと一緒に紡ぐ物語として、パダラマ・ジュグラマをお届け出来る事が、本当に幸せだと思っています。皆さんと物語を紡ぐごとが、これが私の中での醍醐味だと思いますので、お待ちしています。

岩田華怜さん:
メグメ役の岩田華怜です。「何もかもがうまくいかない世界がありました。」というセリフから、本編が始まります。コロナ禍で今大変な世の中だと思いますし、何もかも上手く行かないじゃないですか。私も本当にそういう風に思う事もあったので、そんな中でもこの作品を見て、皆さんの明日がちょっとだけ色鮮やかになってくれたら良いなと本当にその一心で私はやっています。最後まで頑張ります。

さひがしジュンペイさん:
ジュンバ役のさひがしジュンペイです。8年ぶりの再演なのですが、新作をやる気持ちで臨んでいきたいと思います。さらに新たなキャストの方々が参加してくださって、その方たちとライブみたいな感じで、舞台を紡げるのが楽しみです。勝負して行きたいと思います。

登坂淳一さん:
ジュンバ役の登坂淳一です。末原拓馬さんから声をかけて貰って、一緒にこの舞台に参加することになりました。私は舞台の経験が全くないのですが、皆さんに色々教えて貰いながら臨んでいます。大きい意味で「表現」というものに対して、違うものではありますがやってきたので、新しい分野にまた挑戦していくという意味で、今回この舞台に臨んでいます。


Q2. 今回の舞台では、Wキャストではなく、ミックスキャストを取られていますが、全キャストと演じている際にこの人の演技が特に見所と思うところはありますか?

末原拓馬さん:
トシリモは八神蓮と富田翔の違いが全然違って、富田翔は根が暗くて性格が悪くて(一同爆笑)世の中の苦い物を知っているような感じで、八神蓮は真逆で(一同爆笑)何も知らないような純粋無垢の天然ボケですし、作っていたら、全然違うトシリモだけど到達点としては同じところに行く奇妙な現象だったなと僕は思います。

さひがしジュンペイさん:
弁士という役が、シングルキャストなのでそこが見どころかなと思っています。医者の役としても出演するのですが、役をいかに演じ分けているかをぜひ見ていただきたいです。

塩崎こうせいさん:
僕はメグメの二人がソロで歌うシーンです。わかばやしめぐみさんの歌も、岩田華怜さんの歌も聞いて欲しいなと思います。

岩田華怜さん
それならばリンリンの歌も聞いて欲しいなと思います。圧巻の歌声です。

登坂淳一さん:
皆さん凄いです。今日もどこまで出来たか分からないですけど、銃を突きつける所があるのですが、そこを富田さんや八神さんに色々教えて貰ったりして、やっています。それでも今日は「(銃は)あまり強く握らなくて良いですよ」と言われても、グンッと握って「やってしまった!」と思いながらやってました。

わかばやしめぐみさん:
ジュンバは(キャストの髪型が)白と黒なんです。さひがしが黒で登坂さんが白。髪の色がです(一同笑) 。 役へのアプローチもそれぞれ全然違うのですが、物語内の質感は一緒で、これぞ物語の力なのか!と不思議だなと思います。


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