レポ-ト:二人の中学生の青春を135分で駆け抜ける!音楽朗読劇「四月は君の嘘」3月27日公演レポート

<舞台レポート:ネタバレは含まれていません。>
物語は原作通りに進みます。原作の漫画を読んでなくても楽しめますが、読んでおくと、どの部分が物語のターニングポイントになったのかが明確に分かり、更に楽しむことが出来ると思います。物語は漫画原作の最初から最後まで、音楽朗読劇では行われます。

今回の音楽朗読劇で特徴的なのはプロジェクションマッピングと生の演奏(ピアノ・ヴァイオリン)です。視覚的・聴覚的に、朗読だけではなく、更なる刺激で、物語に彩をしてくれると思います。ピアノとヴァイオリンの演奏は今回の作品を一段上のレベルに引き上げていると思います。

プロジェクションマッピングについては、場面が舞台の270°+天井に投影され、その演技のシーンを想像しやすくさせてくれます。音楽をテーマにした作品なので、音楽も生の演奏がその作品へ没入感を高めてくれます。

キャスト陣の優しい声は聴いていて心地よく、生演奏が演技をきらびやかにしてくれています。有馬公生と宮園かをりの二人が話のメインストリームを展開しますが、渡亮太、澤部椿や、その他のキャストも各々で見せ場があります。全員が主役と言えるくらい、個性が尖っていたと思います。

今回の主役である植田圭輔さんと吉田綾乃クリスティーさんについては、植田さんは舞台経験が豊富なので、自信を持って演じている姿が見られたのではないでしょうか。吉田さんについては、舞台経験は少ないものの、経験が少ないとは思わせないくらい、堂々とした演技を披露しており、今後の舞台での活動も楽しみしかない活躍でした。また、声優としても、魅力のある声で会場を魅了していました。

公演時間は約135分。途中休憩はありません。トイレに自信がない方は、必ず公演前に済ませておいてください。途中退出は演目上難しいと思います。公演終了後トイレは閉鎖されます。物販については、閉演後も限定で行われています。


<ライターズメモ>
メインキャストの植田さんと吉田さん、二人の声は優しい。演技を聴いていても、芯の強さの中にある優しさが、芝居を聴いていて、心地よく感じられます。

今、リバイバルで大ヒット映画化されている「THE FIRST SLAM DUNK」のルーツと言えるTVアニメ「SLAM DUNK」の桜木花道役で有名な声優の草尾毅さんも言っていた「声が優しいと書いて声優」という言葉。声優は基本的に地の声が優しいと言われることもありますが、今回演じた植田さんと吉田さんも演じている声も優しく、話す声も優しく、聞いていて、聞きほれる感じなので、俳優やアイドルとしてだけではなく、声優としても才能があるのではないでしょうか。

漫画原作の作品で、今回のように同じ作品で9組18名の様々なペアで演技を聞き分けられる機会はそうそうないのではないでしょうか。千秋楽にも声優2組の公演が配信されますが、俳優ならでは、アイドルならではの演技を是非生で聞き比べて欲しいと思える内容でした。

初日のペアが優しく、包み込むような演技であれば、別の日は元気はつらつだったり、朗読劇と言えば、声優の最大の見せ場であるので、瞼を閉じると声の物語の世界が広がっていくこともあったりすると思います。

漫画、アニメ、舞台、ミュージカル、音楽朗読劇と、様々なジャンルで公演される本作品。様々な視点で楽しんでみるのも魅力の一つだと思います。


公式サイト:
https://kimiuso-reading.jp/

©新川直司・講談社/エイベックス・ピクチャーズ株式会社