レポート:舞台上にサッカーフィールドを表現する!舞台『ブルーロック』2nd STAGE合同取材会レポート

舞台『ブルーロック』2nd STAGEの上演が決定した。第1弾は、2023年5月に大阪・東京で上演。FW育成寮 “青い監獄(ブルーロック)”に招かれた高校生たちの戦いが熱く描かれた。第2弾となる2nd STAGEは、2024年1月、京都・東京で上演される。

そこで、第1弾からの続投となる潔 世一役の竹中凌平、蜂楽 廻役の佐藤信長、千切豹馬 役の佐伯亮に加え、今回から新たに参加となる糸師凛役の長田光平が合同取材会に出席し、その模様をレポートする。


<新キャストと一緒に新たな化学変化を起こせたら>
――まずは2nd STAGEが決まった気持ちをお聞かせください。

竹中 第1弾の千秋楽で2nd STAGEの発表をさせていただいたんですけど、お客さんの歓声がすごくて。本当に期待されているんだなと思ったし、この期待に応えるためにも、第1弾で得たものを引き継ぎつつ、そこからさらに進化した舞台をお届けしたいなという気持ちです。

佐藤 そのときの映像を見たら、客席で泣いている方もいて。僕らが思っている以上に2nd STAGEを待ってくださっていたんだなと思ったのを覚えています。第1弾は初めてだった分、0から1を生み出すのが大変だったんですけど、2nd STAGEはそこを乗り越えたところからスタートできる。その分、より成長した姿を見せられたらと思います。

佐伯 凌平くんも言った通り、より進化したものをお届けしなきゃいけないというプレッシャーがあったんですけど、第1弾のときからこのカンパニーは本当に部活みたいな感覚で、和気あいあいとしながら、みんなで高みを目指して精進し合うことができたんですね。だから、このメンバーなら大丈夫だと思うし、長田くんをはじめ、新キャストもいっぱい登場するので、その人たちとまた新たな化学変化を起こせたらと思います。

――では、新キャストとなる長田さんも出演に向けての意気込みをお願いします。

長田 糸師 凛というすごい実力のあるキャラクターを演じさせていただくので、まずは糸師 凛の強さや人柄をちゃんと自分の中に落とし込んでいきたいなと思います。その上で、ここにいるみんなと一緒に新たな舞台『ブルーロック』をお届けしたいです。

――第1弾で大変だったことは何ですか。

竹中 実際にボールを使うシーンはそこまで多くなかったんですけど、走るマイムが下手したら普通に走るより疲れる(笑)。

佐藤 しかも僕の走るところは、基本八百屋(ステージ奥から手前にかけて傾斜がついた舞台のこと)だったんですよ。みんなは平場で走るところがあるのに、僕だけなぜかずっと八百屋(笑)。これが結構キツくて。(演出の)伊勢(直弘)さんから「そのキツいのを一生懸命やるからこそ伝わるものがあるんだよ」と言われたので、とにかく必死に走ってました(笑)。

竹中 あとは、サッカーコートってデカいじゃん? 舞台上でそれを表現しなくちゃいけないから。今、自分がどこにいるのか、どこに走っているのかを把握するのが最初は大変だった。

長田 潔くんは空間把握能力が高いからね。

竹中 そうだよ。全部把握してたから(笑)。

佐藤 バックに流れる映像とセットの向きと僕らの体の向きを同じタイミングで変えることで空間を表現していたんですね。だから、方向をパニクると。

佐伯 「今どこ見てるの?」ってなる(笑)。

竹中 そこは、出来上がったのを劇場で見て、おおすげえってなった。

佐伯 やってる自分たちはどうなっているのかあんまりわからないんですよね。後から客席とか映像で確認して、こうなってたんだって納得することが結構あって、大変だったけど楽しかったです。

長田 僕はこれから稽古に入るのでまだどうなるかはわからないんですけど、今気になっているのが、凛が初めて登場するシーンで、ボールを蹴って、さらにもう1つボールを蹴って、先に蹴ったボールにぶつけるじゃないですか。すごいコントロール能力だなって原作を読んだときに思ったんですけど。

佐藤 それ、光平くんが舞台上でやるから。

長田 いや、やんないやんない!(笑)

佐藤 やるよ? だって、俺、蜂楽のドリブル、舞台上でちゃんとやったもん。

長田 本当に? ……じゃあ、頑張りますわ(小声)。

佐伯 どんな気持ちだったんですか? ボール持ってドリブルするときは。

佐藤 怖い。台詞を言うときにボールを止めるんだけど、足元は見てないから、止めたはずなのにもしかしたら前に転がってるんじゃないかと気になって。本番では1回も舞台上からボールが落ちなかったんですよ。でも、ゲネでは4回落ちた(笑)。

佐伯 あと、めっちゃカッコよくシュートしてるのにさ、壁に当たってボールが跳ね返ってくることもあったよな。あれもゲネだったかな。

竹中 たぶん3回くらいあった。蹴ってパネルに当たって戻って、また蹴ってパネルに当たって戻るみたいな(笑)。

佐藤 1m幅くらいのところにボールを蹴り入れなきゃいけないっていうシーンで。普通に蹴ったら行けるのに、本番になると緊張しちゃうんだよね。

井澤くんに「ヘタクソ」って言うのが楽しみです(笑)

――ご自身の役に関する2nd STAGEでの注目ポイントを教えてください。

佐藤 僕は、蜂楽の真の覚醒シーンですね。ずっとすごいやつに見えていた蜂楽にも実はいろいろと悩みがあって。すっかり居心地が良くなってしまっていた自分の中にいる〝かいぶつ〟と決別を果たすところは、蜂楽としても見せ場になるんじゃないかなと思います。

佐伯 僕は、自分自身の見せ場かどうかわかんないですけど、第1弾はチームZとして一緒にやってきたメンバーと、今度は敵になって戦うのが楽しみです。

竹中 僕は、馬狼(照英)を演じる井澤勇貴くんに「ヘタクソ」って言うところですね。まだ、台本は手元にないんですけど、きっとそこのシーンはあるだろうなと。

――井澤さんに「ヘタクソ」と言えるのは気持ちよさそうですね。

竹中 そうですね。最初はちょっとビビリながら言うことになりそうですけど(笑)。

長田 僕は、凛のオーラをしっかり出せるように頑張ります。サッカーをやったことがなくて、今からやるべきことがいっぱいあると思うんですけど。

竹中 そうなんだ。じゃあ、フットサルやろ、みんなで。

長田 お願いします!

佐藤 普通に楽しいけど、マジで疲れる。

佐伯 やばかったよね、あのとき。

長田 どんな感じだったんですか。

佐藤 学生時代の感覚でやるじゃない? すっごい息上がるの。全然行けるわと思ってたのに、ちょっと走るだけでハアハアってなる(笑)。

佐伯 意外とおっさんなんだなって(笑)。

佐藤 次の日も稽古なのに、そこで結構体力持っていかれたもんね(笑)

佐伯 やばかった、マジで影響する。

竹中 まあ、俺はずっとゴール前にいたけど(笑)。

一同 (笑)。

佐伯 フットサルって基本5対5。人数が少ない分、1人にかかる比重が結構重いんですよ。だから、1人がサボったら、みんながヤバくなるんだけど。

佐藤 凌平くんはずっとゴール前でパスを待ってて、ボールが来たらポンって入れるだけ(笑)。

佐伯 みんなが必死に走ってるのに(笑)。

竹中 違う違う。俺はダイレクトシュートの感覚を掴みたかったの(笑)。腕の「1」を見て、勝手に姿勢がピンってなりました。

――自分以外のキャラクターで好きな場面や気になる場面はありますか。

佐伯 個人的に馬狼のキャラクターが好きなので、馬狼の挫折は楽しみですね。あそこのシーンを見て馬狼が好きになったので。

佐藤 僕は蟻生(十兵衛)が楽しみです。磯野(大)さんと共演は初めてで、まだビジュアルは見てないんですけど、ご本人が蟻生って感じがするんで、そのまんまなんだろうなって。

長田 僕は蜂楽が凛たちに奪われるところが楽しみですね。初見のときに、「え? ここからどうなんの?」となったあの感覚をまた舞台でも味わいたい!

竹中 そこもいいね。でもやっぱり注目は凛じゃないですか。

佐藤 見てよ、このビジュアル(と、発表されている潔と凛のメインビジュアルを指差す)。

佐伯 本当だよ、どこ向いてるの。

長田 それ、俺が聞きたいわ(笑)。

竹中 それに関しては俺もだわ(笑)。

竹中 今作はやっぱり凛、めちゃくちゃ大事だもんね。

長田 存在感はデカいと思う。

竹中 バチバチしよ?

長田 バチバチします!

――ビジュアルの話が出ましたが、ビジュアル撮影の感想をお聞かせください。

佐伯 第1弾のときよりはスムーズでした。最初、マジで大変だったんですよ。千切の髪が厄介すぎて、実は髪の毛と顔が合成だったんです。

佐藤 本番中も髪食ってたもんね。

佐伯 めちゃくちゃ食ってたよ。

長田 ロン毛あるあるですよね。

佐伯 ずっと髪食いながら、「この俺の滾りだ!」って(笑)。

竹中 カラコンは慣れたの?

佐伯 慣れました。お恥ずかしい話なんですけど、最初はカラコン入れるのに30分くらいかかってまして。本番を経て1分以内に入るようになりました(笑)。

竹中 俺は、撮影のときに腕の番号が「15」になってるのに感動しました。もともと「299」からスタートだったから。

長田 僕も腕の「1」を見て、勝手に姿勢がピンってなりました。

竹中 あ、ピンってなった結果が、このビジュアルなんだ(笑)。

長田 そうです(笑)。凛はとろーんとした無気力な目をしているけど、目の奥には熱いものが燃えているキャラ。撮影のときもそれを意識してやってたら、逆に目力が強くなっちゃって、「もうちょっと抑えてください」って言われました(笑)。

佐藤 僕は、青じゃないビブスを着るのが違和感あったかな。

佐伯 わかる!

佐藤 第1弾ではずっと青のビブスを着て蜂楽としても成長してきた部分があるから、それが白になったのは。

竹中 ちょっと寂しかったよな?

佐藤 そういう感じはありました。ビジュアル撮影では、サッカーの躍動感を出すために、すごい無理な体勢で止まることが結構あって。ボールを追いかけてるようなカットとか、すごい低い体勢で固まってなきゃいけないんですね。それが大変で……。結構足腰に来ます、『ブルーロック』は(笑)。鰐間兄弟と馬狼のチームが見てみたい(笑)

――2nd STAGEで描かれる二次セレクションでは、馬狼が意外に几帳面だったり、千切や凪誠士郎が物を出しっぱなしにしていたり、共同生活を経てキャラクターの意外な一面も垣間見えます。この4人で一緒に生活するなら、誰が一番部屋を散らかしそうですか。

佐伯 凌平くん、汚いよね。

竹中 いや、俺、綺麗だよ? だって、趣味掃除だもん。

佐伯 本当に?

佐藤 俺、めっちゃ几帳面よ?

佐伯 俺も几帳面。

長田 マジで? (佐藤に)でも車とかバイクのパーツがめっちゃ置いてありそう。

佐藤 それはある(笑)。けど、めっちゃ几帳面よ?

佐伯 確かに。楽屋で隣だったけど、のぶくんのスペースに俺の物が進出したら怒られたもん。「これ誰だよ!!」って。

佐藤 (記者陣に)そんなガチじゃないすよ?(笑)

佐伯 (記者陣に)いや、ガチで言ってました。確か弁当の蓋かなんかが放置されてて。

佐藤 思い出した。ほっといたら佐藤が放置してるなって思われる位置に俺のじゃないやつが置いてあったから。いや、それは言うでしょ?

長田 楽屋の使い方で大体綺麗好きかどうか出ますよね。

竹中 でも、俺、楽屋は汚いかも……。

長田 僕も楽屋は汚いです。

竹中 でも部屋は綺麗です。

佐藤 信じられない!

長田 俺は楽屋に、トレーニング系のやつとか、リラグゼーションのやとか、マッサージガンとか、荷物をめっちゃ置いてあるので、物は多いかも。

竹中 じゃあ自分の部屋は?

長田 部屋は……日によって(笑)。

佐伯 この2人怪しいな。

竹中 いや、俺は綺麗よ? 鏡台の前とかちゃんと物を高さ順に並べるからね。

長田 それで言ったら僕も本とかきちんと並べるよ。

佐藤 そんな部屋に本ないやろ!

長田 いや、めっちゃあるのよ。まあ、でも各々のこだわりがあるってことだね。

――では、最後の質問です。二次セレクションでは3人1組のチームを組みます。『ブルーロック』のキャラクターで最強の3人組を選ぶとしたら、みなさんは誰を選びますか?

佐藤 俺がいちばん見たい組み合わせは鰐間兄弟と馬狼(笑)。

一同 (笑)。

佐藤 鰐間兄弟に馬狼が加わったらどうなるのか見たい(笑)。

竹中 俺は、蟻生、蟻生、蟻生(笑)。

佐藤 めっちゃ嫌や〜(笑)。3箇所で「オシャ」って聞こえてくるんでしょ。

長田 「オシャ」「オシャ」「オシャ」って。

佐藤 嫌や〜。

竹中 めっちゃ威圧感すごいだろうなって。

佐伯 俺は、國神(錬介)、馬狼、時光(青志)かな。

佐藤 フィジカル系だね。

佐伯 ただ筋肉を集めただけ(笑)。

佐藤 でも噛み合わなさそう(笑)。全然想像できないわ。

佐伯 絶妙だよね。

長田 俺はプレイヤーじゃないかもしれないけど、絵心(甚八)さんのプレーを見てみたいなって。

佐藤 確かに。あれだけ言うからには。

長田 どんなもんかなと。で、絵心さんについていけそうな蜂楽と凪を組み合わせて、3人プレイが見てみたい。

佐藤 嫌だ〜! 絶対ロッカールーム、静かだよ(笑)。


©金城宗幸・ノ村優介・講談社/舞台『ブルーロック』2nd STAGE製作委員会