公式レポート:『世の中にたえて桜のなかりせば』4月2日(土)公開記念舞台挨拶・宝田明との思い出話に花を咲かせた岩本蓮加「宝物のような作品です」

MCから本作の主演、エグゼクティブプロデューサーを務めた宝田明さんの説明ののち、宝田さんとW主演を務めた、終活アドバイザーとして働く女子高生・咲役の岩本蓮加さん(乃木坂46)と三宅伸行監督が登壇。岩本さんの隣には宝田明さんの等身大パネルが設置されました。

最初の挨拶では岩本さんは「お忙しい中お越しいただきありがとうございます」、三宅監督は「たくさんの人に来ていただきありがとうございます。お客さんが入って初めて映画が完成したような気がします」と満席の客席に向かい感謝の気持ちを述べ、舞台挨拶がスタートしました。

公開を迎えた感想を聞かれると、友人が公開初日に観に行ってくれたという岩本さんは「感想をたくさん聞くようになってから作品を届けられるようになっているんだな」と実感がわいたとコメント。また友人からは“考えさせられる映画だった、前を向いていこうと思える作品だった”という感想をもらったと言い「伝えたいことが全部伝わっていて嬉しいです」と、心境を明かしました。

三宅監督は、登壇する前に桜を見たと話し「桜を見ていると宝田さんを思い出しました。この映画もみなさんの心に残るものになればいいなと思っています」と話しました。

映画初出演となる岩本さんは、「初めての映画で初めての主演で、プレッシャーや重みがあった」と言いつつも「実際に現場に入ってみて、宝田さんはじめキャストの方々や三宅監督とたくさんお話しさせていただいて、リラックスできるようになったし、現場に行くことが楽しくなりました」と当時を振り返りました。プレッシャーを払拭するために何かしましたか?と聞かれると、セリフを自分のものにするために「毎日台本を繰り返し読んでいました」と努力する姿も伺えました。

三宅監督は、「岩本さんの撮影前に何度もリハーサルをできたことで、本番の撮影ではたくさんお話をしたうえで挑めたので良かったです」と振り返りました。

また3月10日に行われた完成披露舞台挨拶の際に、宝田さんから“大女優になる片鱗がある”という言葉をいただいたことに対し、岩本は「自信につながっていますし、今後演技をするうえで宝田さんの言葉を思い出して前を向いていけたらいいな」とコメントしました。

自身の役については、最初は暗い子のイメージだったが台本を読み進めていくうちに実は明るくて元気な一面もあるんだと思い、咲(岩本)があまり暗くならず普通の女の子だとわかってもらえるように演じたと役作りについても語りました。それに対し、監督は岩本さんが「咲ちゃんのことを好きになれた」と言っていただけたことが嬉しかったと心境も話しました。

続いて、各々が宝田さんからオファーがあったという話になると、監督は「お話をいただいた時は嬉しかったけど、テーマが4つ(老人がと女子高生が出演・茨木のり子「さくら」の詩、在原業平の和歌)が決まっていて大変だった」と話すも、「宝田さんと脚本づくりをしているときが印象に残っています」と思い出を振り返りました。

対して岩本さんは、オファーをいただいた際に「そんな話本当にするの!?」と幸せだった半面、本当に驚いたとコメント。「初めて作品のオファーをいただいて出演できるというのは自分にとって宝物だし幸せだなと思います」とも話しました。

宝田さんとの撮影エピソードを聞かれると、岩本さんは「面白い方で、私が緊張しているときも何気ない一言で緊張をほぐしてくれた」と言い、アドリブをされている姿を見て私も頑張ろうと思ったと話しました。

そして宝田さん自身の体験談が見られるシーンが印象的だと明かし、「そんなお話を聞けるのは貴重だと思いますので、みなさんも注目していただけたら嬉しいです」と注目ポイントも教えてくれました。

また、ファンの皆さんには普段のアイドルとしての姿と演技をしているときのギャップを楽しんでいただきたいと話、「10代の内にまた学生の役をやってみたい」と今後の女優像についても話しました。

そして完成披露舞台挨拶では岩本さんは、宝田さんから「“きれいになったね”と言っていただけたり、宝田さんにお会いするのが楽しくて、安心しますし、撮影をするときも腕を組んだりといつも近くにいていただけた」と仲の良さが伺えるエピソードも明かし、監督は「肩をたたき、“今度、食事に行こう”と言ってくださりずっと心に残っています」と話しました。

舞台挨拶終盤では撮影中に収録した1分弱の宝田さんのコメント動画を上映。そして、本作公開に向け、並々ならぬ情熱を傾けた宝田さんへ、哀悼の意を表し、黙祷をいたしました。

そして最後の挨拶では、岩本さんは「宝田さんと映画のお話をするときは、映画に対しての熱をひしひしと感じるので宝田さんのプロデュースする作品に、宝田さんと一緒にW主演として出演させていただけたことは誇りに思いますし貴重な経験をさせていただけたと改めて感じました」と話し「この作品を見て自分の人生と向き合うきっかけになれたらいいなと思いますし、桜を見るたびに毎年この作品を思い出していただけたら嬉しいです」とコメント。

監督は「岩本さん演じる咲ちゃんの成長物語だと思っています。人生どんなところからでも人は前を向いて成長していけると思いますので、明日からの力になる作品になればいいなと思います」と語り、舞台挨拶は幕を閉じました。


<ストーリー>
終活アドバイザーのバイトをしている不登校の女子高生・咲(岩本蓮加〈乃木坂46〉)は、一緒に働く老紳士・敬三(宝田明)と共に、様々な境遇の人々の「終活」の手助けをしていく。咲は危険と隣り合わせの職業で、万が一のために家族に遺書を残そうとする者や余命わずかで思い出を残そうとする者たちに寄り添って「終活」のお手伝いをする日々を送っていた。そんな最中、咲の担任でかつて国語教師であった南雲は生徒からのイジメに遭い、教師をやめ自暴自棄の生活をしていた。咲はひきこもりの彼女の様子を見に度々家を訪れ、様子をうかがっていた。一方で、イジメの張本人の女子生徒を待ち伏せして自分の気持ちをぶつけたりもするが、彼女の中のやるせない気持ちは消えることはなかった。自身も不登校で行き場を求めている咲に、敬三は病気で老い先短い妻(吉行和子)とかつて見た桜の下での思い出を語る。咲は敬三たち夫婦を励まそうと、敬三がかつて見たという桜の木を探しに出かけるのだが・・・。


<キャスト>
岩本蓮加(乃木坂46)
土居志央梨 郭 智博 名村 辰 柊 瑠美 伊東由美子
徳井 優 吉行和子
宝田 明

<スタッフ>
監督:三宅伸行  脚本:敦賀 零 三宅伸行  企画・原案:鈴木均
エグゼクティブプロデューサー:宝田 明
主題歌「蒼空」Produced by 亀田誠治
歌:all at once 作詞:Ra-U ,レオリ 作曲:Ra-U

公式サイト:
https://www.toei-video.co.jp/sakuramovie2022/

製作:埼玉県/SKIPシティ彩の国ビジュアルプラザ TOKYO MX ビーイング 東映ビデオ
製作プロダクション:アルタミラピクチャーズ デジタルSKIPステーション  配給:東映ビデオ

©2021『世の中にたえて桜のなかりせば』製作委員会