レポート:第35回東京国際映画祭・「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」トークショーレポート

2022年11月1日、東京・日比谷にあるTOHOシネマズ シャンテにおいて、第35回東京国際映画祭「劇場版 ソードアート・オンライン -オーディナル・スケール-」トークショーが行われました。今回のトークショーでは、伊藤智彦監督が登壇されました。会場は約5年前の作品にも関わらず、多くのファンが会場に駆けつけていました。

・今見直して、どんな感じですか?
「正に昨日のソードアート・オンラインのソフトが発売された日なので、映画がフィクションがずいぶん追いつかれたなと思います。」

・作っている時はちょっと未来の程よい距離だったのでしょうか。
「意外と5年で追いつかれるものだなと思ったのですが、今日、ドラクエウォークをやっていたら、Coke Onで無料でドリンクを貰えちゃったりして、ドラクエウォークさん、ありがとうございました。(笑)」

・この映画は伊藤監督の初の作品でしたが、テレビのスマッシュヒットを受けて、どういうことを考えられましたか?
「アニメの映画、劇場版って番外編が多いのですが、それとは別にちゃんと映画として単体で成立したものを作りたいという欲求があったので、作りました。」

・脚本作りが工夫が必要あったのですが、原作者のアイデアがあったり、伊藤監督が独立した映画としてあったり、ファンに向けてキャラクターの目くばせと三つの要素があったと思うのですが、その辺の苦労は。
「番外編的映画だと、ゲストキャラが映画の問題解決や成長することがあるのですが、メインキャラでやらないと意味がないということで、原作の川原先生にも理解をして頂いて、やってよいと言うことで、主人公キリトの精神的成長が見えるようにシナリオを作りました。キャラがサービスしないといけないので、それをすると時間がかかるので、1時間59分58秒12コマかかりました。本当はもっと短くしたいです。」

・ビジュアル面では映画らしさはどうでしたか?
「単純に言うと引きの絵を作らざるをえないというか、アクションの映画ではあるのですが、回数が多いので、それ以外のシーンではロングの絵で長回しをして、なるべくカロリーをアクションパートに持って行けるように工夫をしました。」

・オーディナルスケールをやって、映画というメディアについて変化はありましたか?
「いまだ暗中模索というか、そんなに簡単にはわからないので、2本映画をやって、アニメの映画が公開されると見に行くのですが、自分の好きな、欲するものは何かとこの映画はないなとかこの映画のカットは良いなと発見して、次の仕事に繋げたいなと先週も『ぼくらのよあけ』を見ていました。」

・アニメの特徴は画面を全部コントロールできるところだと言いますが、パーツはコントロールできても、一体化したときにコントロールと違うのが出来てるのでしょうか?
「そうだと思います。こちらも音声を録ったり、音楽や効果音を入れる作業を定期的にあるのですが、ここはグッとくるかなとか気にしつつ、完成したときには終わったという気持ちが先に立つのですが、何日かして立ってから見るとここグッとくるところだったけど、再確認というか、周りの人がいるから気になるけど、勇気が出てくるところは見返すと良いものだなと、声を入れなくて良かったと思います。勇気出てくると声を入れていますが、けど、出ません。死んでいますからね。」

・オーディナルスケールを作っていて、苦労した点は?
「100層ボスの所と、単純に終わるかという話と、スタッフが離脱するということもあって、その時はカンカンになったり、絶望したりしました。心はいっぱいです。」

・会場に駆け付けた皆さんに一言
「劇場では奇しくも新しい「プログレッシブ」が公開しているにも関わらずこちらに来ていただき、ありがとうございました。まだ、この作品は続いていくので、気長にお付き合いと同時に、オーディナルスケールも忘れないで下さい。よろしくお願いします。」


©2016 川原 礫/KADOKAWAアスキー・メディアワークス刊/SAO MOVIE Project