レポート:神谷「エンタメの楽しさ、本質に導けたら」案内人・神谷浩史が贈る朗読劇「Staging!! vol.1 四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男」記者会見レポート

2024年2月7日、都内において、「Staging!! vol.1 四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男」記者会見が行われました。今回の記者会見には原作の小川哲さん、脚本・演出の水島精二さん、若林和弘さん、伊藤マサミさん、案内人の神谷浩史さんが登壇されました。

今回の記者会見には全員がタキシード姿で登場し、会場にも今回の作品は普通の作品ではないという空気が漂いました。

「Staging!!」とは一つの作品を複数の脚本・演出家が様々な解釈で自由に物語を展開する舞台です。

今回の案内人でもある神谷さんが、今回の物語のあらすじを話し、ミステリーのような不思議な話を披露され、今回の作品は企画が出来てから、原作が出来たそうです。原作の小川さんは3人の脚本・演出があるので、様々な解釈が出来ても良いのでは?と思えるストーリー(ループもの)にされたそうです。同じ話を複数上演されるが、複数回見る方もいると思うので、作品がループものだと演出や解釈の余地が出来ると面白いのではないかと話されていました。

神谷さんは小川さんに「わからない企画を引き受けてくれて感謝。」と話し、小川さんも「よくわからない企画」に乗っかって、行われたそうです。小川さんの作品についても神谷さんは「玉虫色に(原作を)書いてくれて感謝。」と如何様にも作品が解釈出来ると思われたそうです。

水島さんは「演出に優劣が付くので嫌だな。」と思われたそうですが、「役者も大変だろうが、ワクワクする。」と「シンプルな朗読劇にチャレンジしてみたい。」と思って、引き受けられたそうです。

若林さんは「基本的にいつも声優にオファーをしているので、(自分自身も)言われたら引き受ける。」というスタンスを持って引き受けたそうです。

伊藤さんは「蓋を開けると錚々たるメンバーになぜ私を?」と思われたそうですが、「頂いたからには全うしたい。」と話していました。

本作品の演出プランについては、水島さんは「作品のイメージを大切にしたくて、見てくださっている方の没入感を邪魔せず、全部役者に読んでもらうのを模索しています。」、若林さんは「音を中心にやっているので、舞台上真っ暗にしてやろうとしたら、NGが出て、真っ暗じゃない形を練っていて、絵が浮かぶようなオーディオドラマが出来ればと思います。」、伊藤さんは「考察の余地があるこの人たちは何をする人たちなのかというクエスチョンが浮かぶと思うが謎解きをする雰囲気にしようと思いました。」と話していました。

神谷さんは「物を作っていくのに参加するのはワクワクしていて、今回三人の優れた演出家がいてそれぞれの解釈があって、それを聞いているだけでも楽しいです。」と作品に多大な期待をしていました。

一通り、説明が行われた後で質疑応答が行われましたが、「キャスティングは舞台によって異なるそうなので、楽しみにしておいてください。」という事で、一つの作品を見るのも良し、二人以上の演出家の作品を見て、作品の違いから考察するというのも楽しめる内容になるとの事でした。キャスティングについては、各脚本・演出家も互いに誰をキャスティングしたか知らず、もしかしたら、同じ人をキャスティングしているかも?と期待を膨らませてくれました。キャストについては、後日発表があるそうです。ちなみに神谷さんは出演の予定はありません。あくまでスタッフとしての位置づけだそうです。

最後に一言コメントとして小川さんは「純粋に一人の観客としてステージの日を楽しみにしています。」、水島さんは「頑張って作品に仕上げていきます。」、若林さんは「本業以外で参加するのは初めてで、自分の思っている形になるかはわかりませんが、頑張っていきたいと思います。」、伊藤さんは「一つの企画で三者三様の演出家が付くのは、朗読劇だから出来る企画だと思います。我々の一番のことは、見てくれる人が楽しんでくれることです。」と作品に期待しかさせないコメントを残していただけました。

神谷さんは「殆どの朗読劇は宣伝の仕方が、キャストがメインになっているように思います。脚本や演出がおざなりになっていると感じるんですよね。本来ならキャストだけがメインではありません。しかし今回の「Staging!!」では三人の演出家がメインです。そして僕はお客さんを導く案内役であり演出家によって同じ脚本が様変わりする様子を一番近くで見られる立場です。エンタメが作られていくのを特等席で見て、感じたことをさまざまな場所でみなさんに伝えて、エンタメの楽しさ、そして本質に導けたらなと思っています。」とコメントされ、記者会見が終了しました。


<『Staging!!』とは>
ひとつの物語を「素材」として、様々な演出家(ディレクター)が独自の解釈とキャスティング、演出により自由に「料理」する朗読劇。音響監督、映画監督、舞台演出家など様々なジャンルの演出のプロが「原作」を読み、解釈したうえで、キャスティング、音や光、音楽、演技などを自由に演出する、「演出」にスポットをあてた企画。案内人として神谷浩史を迎え、すべての公演を観劇したくなる、新しくてチャレンジングな朗読劇が幕を開ける。「最高の素材」から生まれる、演出の違いによる「極上の味(舞台)」をご堪能ください。

案内人:神谷浩史(かみや ひろし)
1月28日生まれ。千葉県出身。A型。日本を代表する声優の一人。
「ワンピース」のトラファルガー・ロー、「進撃の巨人」のリヴァイ、「夏目友人帳シリーズ」の夏目貴志、「物語シリーズ」の阿良々木暦、「さよなら絶望先生」の糸色望、 「おそ松さん」のチョロ松等、数々の人気シリーズの主要キャストをはじめ、出演作は数知れず。「声優アワード」等の獲得数も挙げたらきりがない。「神谷浩史・小野大輔のDear Girl~Stories~」等ラジオの パーソナリティーとしても大活躍。「Kiramune」のREADING LIVEについても、企画プロデュースの中心にいる。決して妥協することなく、仕事に向き合う姿勢は非常にストイック。そんな「神谷の仕事」は、業界全体が常に注目する。「Staging!!」は、 「Mixalive TOKYO」企画の一つとして、神谷浩史みずからが提案。

原作者:小川哲(おがわ さとし)
渋谷教育学園幕張高等学校から東京大学理科一類を経て東京大学教養学部卒業、東京大学大学院総合文化研究科博士課程中退。数学者・論理学者のアラン・チューリングについて研究した。博士課程2年時の2015年、投稿作「ユートロニカのこちら側」が第3回ハヤカワSFコンテストで〈大賞〉を受賞し、作家デビュー。2017年『ゲームの王国』で第38回日本SF大賞、第31回山本周五郎賞を受賞。2020年には『嘘と正典』(早川書房)に収録の『魔術師』が中国にて銀河賞の銀賞に輝いた。2022年刊行の『地図と拳』で第13回山田風太郎賞、第168回直木三十五賞を受賞。同年刊行の『君のクイズ』は第76回日本推理作家協会賞〈長編および連作短編集部門〉を受賞。最新作『君が手にするはずだった黄金について』が2024年の本屋大賞にノミネートされている。

<『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』あらすじ>
午後六時、私の部屋のインターフォンが鳴った。恋人のアキラ君が予定より早く来たのだろうか? モニターを見ると、見覚えがあるような、ないような男が立っている。
「突然すみません。蘇我慶太です。僕のこと、覚えていますか?」
中学時代の同級生で、サッカー部のキャプテンで、生徒会長を務め、定期テストはいつも満点、県内で最も偏差値の高い高校に進学した蘇我君。
現役で東大に進学して、在学中に司法試験と医師国家試験に合格して、論文で何かの賞を受賞して、当時は天才としてテレビなんかにもよく出ていた。卒業後はしばらく研究者をしていたようだったけれど、三年前に投資会社を設立して、そこでも成功して上場したらしい。
でも、彼とは十三年間一度も会っていない。なぜいきなりうちに?
「僕は、あなたを救いに来た」驚く私に蘇我君は、「僕は二〇二二年の四月十一日を約千二百回繰り返しています」と告げた――。
半信半疑の私をよそに、蘇我君は誰も知らないはずの私の秘密を次々と言い当てていく。何度も私を助けようとして、その度に私は死んでしまったという。この男を信じていいのだろうか、そして私は死んでしまうのか? 不思議な、けれど途方もなく長い夜が始まった。


<Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』公演概要>
タイトル:
Staging!! Vol.1『四月十一日を千二百回繰り返したと主張する男』

案内人:神谷浩史
原作:小川哲
脚本・演出:水島精二、若林和弘、伊藤マサミ

日時:
■水島精二
2024年6月14日(金)、15日(土)、16日(日)
■若林和弘
2024年6月28日(金)、29日(土)、30日(日)
■伊藤マサミ
2024年7月13日(土)、14日(日)、15日(月・祝)

会場:
Mixalive TOKYO Theater Mixa
https://www.mixalivetokyo.com/
〒170-0013 東京都豊島区東池袋1-14-3

チケット:
オフィシャル先行・小説現代先行 3月22日(金)受付開始予定

制作:
Office ENDLESS

主催:
講談社・Office ENDLESS

公演のお問合せ:
Office ENDLESS

公演事務局:
info@officeendless.com
(平日10:00~17:00)

※お問い合わせは24時間承っておりますがご対応は営業時間内とさせていただきます。
※お問い合わせの際は必ず公演名をお伝えください。


公式HP:
https://officeendless.com/sp/staging/

公式X:
https://x.com/Staging_reading

ハッシュタグ:
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©小川哲・講談社/「Staging!!」vol.1製作委員会